久留米大学特任教授 古賀幸久 の考える、これからの生き方論。
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生きるバランス(生き方の基本)

#31 2020年10月3日

バランスのある生活

 人はあらゆる部分において不完全であり、もろく崩れやすい面があります。そうならないために人は一定のバランスを維持するように自らを律しなければなりません。バランスにも自分自身との関係のみならず、他者や社会との関係におけるバランスもあります。
 人間は一人一人の個性的な「思い」と「行為」によって、他の人や物と複雑に関係しあっています。関係のあるところには喜怒哀楽があり、反面、息苦しい面もあります。多様な関係の中で、相互のバランスを上手に維持することはとても難しいことです。しかし、何事もバランスがなければやることがうまく続かず、創造力に欠け、想像性も貧弱になります。
 自分自身のバランスのみならず、他との関係性のバランスをどうやって維持するかということは、個人個人の己に対する自己管理としての生き方そのものの課題であり、内面的・精神的な問題であるとともに、外面的・実践的な問題と絡みます。

バランスが人を創り、社会を安定化させる

 バランス感覚は人が生物として兼ね備えてきた感性の中心にあります。バランス感覚はあらゆる生物が生存本能として長い年月をかけて身に付けてきた感性です。大事なことは、誰でもあるバランス感覚がどのような安定感を持つものであるのか、ということです。
 「過ぎたるは及ばざるがごとし」という格言があります。丁度よいこと、加減が良いこと、中庸であること等、バランスが望まれる理由、それは、人が豊かな生き方を創造できる条件であるからです。バランスがあることによって、体力においては筋力とエネルギーが創造され、日常生活においては楽しみと喜びに味わいが増し、そして、心や精神の在り方においても安定と静寂を生み出します。また、社会的には、政治的・経済的に無理なく安定的に循環していける社会基盤となるからです。

現代の人や社会のバランス感覚の状況は

 人は本能的にバランス感覚を通して物事のあり様を判断します。自分の平衡感覚が鈍くなれば、常時変化する状況に適切に対応することも難しくなります。人は長い年月を経て培ってきたバランス感覚によって、他人や社会とそれぞれが個性的に関わってきました。自らも、そして他人や社会も絶え間なく移り変わる中で、それぞれが自らの身の置き方を判断し、その位置を確保してきました。
 では、現代においての人や社会のバランスの在り方はどうなっているのでしょうか。もちろん、人により、地域により異なり、多様な姿がうかがえます。これからのブログでは、人が自身の日常の生活の仕方や、時間の過ごし方においてどのようなバランスを維持しているのか、そして、政治や経済、国際関係においてはどのようなバランスの在り方であるのか、について検討してみます。そのうえで、望ましい修正と実践の在り方について考えてみます。

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