久留米大学特任教授 古賀幸久 の考える、これからの生き方論。
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個性と社会性

#19 2019年12月13日

生活力と社会力

 自分が生きることを楽しみ、そして、それによって周りの人々もそれを喜んでくれるようであれば、最高の人生ということが出来ることでしょう。そのためには、「趣味・興味―勉強―仕事―社会的課題への対応」を行動の軸として、気力や体力、感受性や道義性、知識・教養の他に、「生活力」や「社会性」を持つことが大事です。
 「生活力」とは、生活をする上での自助的、自主的な行動力です。自分で生き抜くエネルギーです。自分のことは自分でちゃんとやれる人が生活力のある人です。一日の生活の中で、料理、食事、掃除、炊事、洗濯、買い物など、日常の習慣として普通にやり通せる力です。
 「社会性」とは「生活力」を基盤にして社会と関係を維持できる力です。社交性、協調性などを要求される性格のものです。コミュニケーションの能力もその一つです。
 人によっては生活力はあっても社会性が弱かったり、また、生活力はないけど社会性が強かったりします。バランスのある生活力と社会性が求められます。

望ましい方向性

 個人の趣味と興味を通して個性を磨くことは、社会の問題や課題に取り組むことと深く関連します。楽しく生きがいを持ってやり続ける「生活力」が、社会から喜ばれ評価されるという「社会性」とするということは、必然的に、日常生活や社会の問題や課題に取り組もうとする性格が強くなります。
 社会の問題や課題に取り組む意識が不足し、大量消費と大量生産に甘んじた生活は、環境破壊と失業などを助長します。感性の低い生活力と社会性は、希望や欲求のレベルが低く、社会的な問題や課題を深刻化させ、不健全な社会を生み、そして蔓延化させます。
 「これからの生活や生き方」として求められるものは、「質素な生活ではあっても、楽しく個性的な生活」であり、同時に、「創造的な高い付加価値を伴う生き方」です。
 感性の高い質素さと謙虚な姿勢で創造的に学ぼうとする心には異質なものへの友好的な共感が生まれてくることも自然な現象です。

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