久留米大学特任教授 古賀幸久 の考える、これからの生き方論。
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個性を見つける・個性を創る(個性と社会との関わり)

#10 2019年7月17日

「生まれつきの個性」と「環境で育つ個性」

 すべての人の個性は大別すると、先天的なものと,生後の生活環境により創られる後天的なものがあります。どのようにすれば、生まれつきの個性を磨きながらいい方向に育てていけるようになるのでしょうか。

個性の自覚と社会との関わり

 社会全体をサークルとすると、そのサークルの真ん中の核のところに、自己が位置しています。真ん中の自己は、自分らしさ(個性)や、生きることや存在することの意味を探ろうとすることがあります。人によっては自分探しの闇に入り込み、迷うことがあります。迷いから逃れられずに苦しむことも多いのです。
 自分を探すには、早くその呪縛を解き放ち、外の世界の様々な他人や社会に触れていくことが必要です。多くの他に触れながら、自分との相対的な比較の中で、少しずつ自分らしさを自覚していくしかありません。

ありのままの個性の自覚

 性格とは一般的にどんなものをいうのでしょうか。つまり、一般にいわれる気力、体力、感受性、道義性などの性格は言い換えるとどのようなものでしょうか。気力とは「熱意、意欲、好奇心、信念、決断、胆、魂」などで表現できるでしょう。また、体力とは「生命力、行動力、持続力、忍耐力」など、感受性とは「趣味、興味、五感、観察、想像、発想、適応」など、道義性とは「優しさ、親切、誠実、寛容、謙虚、使命、共存、柔軟性」などで言い換えることができるでしょう。先天的な自己の性格は、まず、生まれ育った地域の伝統や慣習、文化に育まれ、ボンヤリとしている自分を磨いて輝きたいという社会的な自覚が生まれてきます。やがて、生まれ育った伝統や慣習、文化を超えた外の世界の様々な他人や社会に触れていくことで、自分の「個性」の輪郭が少しずつ見えるようになっていきます。

異文化を通して磨かれる個性

 日常的に、人との交流と会話、握手などの直接間接の接触(異文化交流やコミュニケ―ション)を通して、相手の考えや、気持ちを知ることで、徐々に自分らしい「個性」的な知識や教養を身に付けることができます。そして、「個性」を徐々に表現し始めます。
 磨きがかけられた個性から沸き立つエネルギーは、自分の大事なものや尊重してもらいたいものを示す力があります。それは自分も他人も同じです。その結果、お互いに相手の大事にしているものを尊重しあうことができるようになります。信頼はそこから生まれます。その信頼関係があれば、混沌とした現実の中で多少のいざこざがあっても、何とか乗り切って生きていくことが出来るでしょう。

個性を生かして社会と関わる

 磨きのかかったエネルギーを持つ個性は、たくさんの解決すべき問題がある社会と対峙しながら、自己の個性的なエネルギーの活かしどころを探るようになります。環境問題、医療・福祉、教育、格差・貧困、紛争、安全保障などなど、山積みしている問題や課題に向かって能力や創造力を駆使しようとします。生き甲斐や、やりがいのある仕事は、社会と常に繋がりながら、個性的な能力や創造力を駆使していくことで生まれます。それによって、今この時を豊かにすることができます。そして、誇りをもって今この時を次の世代に引き継いでいくことができます。

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