久留米大学特任教授 古賀幸久 の考える、これからの生き方論。
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個性―勉強―仕事―社会課題の解決

#1 2019年4月29日

趣味・興味と個性を軸にして人生を設計する

 (少し前の話ですが)2019年3月21日、イチローが遂に引退を表明しました。記者会見で「子どもたちへのメッセージを」と質問されて次のように述べました。「野球に限らず、自分が熱中できるものを見つけることができればそのために頑張ることができる。そういうものを早く見つけて欲しい。それが見つかれば立ちはだかる壁にも挑んでいける。それが見つけられないと壁があると諦めてしまう。いろんなことにトライして、自分に向くか向かないかというよりも自分が好きなものを見つけて欲しい」
 このイチローの言葉は印象的でした。全く同感であり、我が意を得たりと思われて頷いてしまいました。
 趣味と興味は誰にもあります。それが生活の楽しみの基盤にもなります。どのような趣味や興味を持つのかは各人の好き嫌いの問題であり、それは個性の問題とでもいえます。
 そのような趣味や興味の一環としてやる時の勉強は楽しくなります。また、そのような勉強が自分の将来の仕事に繫がるようにすることが大きな生きがいに発展します。
 そして、そのような仕事を通して、社会的な問題や課題を解決することが大事なのです。
 このように、個人の趣味と興味からはじまって、巡りめぐって、社会の問題や課題に取り組むことが最も理想的な人生設計となるのでしょう。楽しく生きるための軸となるでしょう。

豊かな人間関係で人生を味付けする

 「趣味・興味―勉強―仕事―社会的課題の解決」という楽しみの基盤となる骨格に「楽しみと喜び」という味をもつ肉付けをすることが大事です。いろんなものが肉付けの材料となります。肉付けとなる材料は、まず、自分自身が持つ気力や体力、感受性や道義性、教養力、さらに、自分が社会とのかかわりの中でもつ生活力や社会性などです。そして、それらの素材が「楽しみと喜び」という味にまでなるように調理することが必要です。その調理を上手にするには調味料が必要です。それは「人間関係」という調味料です。他人や社会に心がつながって関係がなければ、体力や骨格が頑丈であっても楽しみや喜びは少なくなります。ブータンという国が世界一の幸福な国であることはよく知られています。その背景には人間関係の暖かさと助け合いにあります。一番の幸福の尺度は、豊かな人間関係であり、決して裕福さや贅沢だけで代表されないのはいうまでもありません。

健康と命の大事さ

 「趣味や興味」を出発点とした骨格に、「豊かな人間関係」という肉付けをすることが人生を幸せにします。人との付き合いの中で、互いに敬い、助け合うことができます。そして社会のために尽くすことが出来ます。
 そのような「骨格」と「肉付け」の人生は喜怒哀楽の連続です。いろんな挑戦をし、いろんな失敗も繰り返していきます。私たちはここで重要なことを気付くべきです。それは健康と命の大事さです。健康と命さえしっかりしていれば何度でも挑戦が出来て、何度でも失敗できるということです。ずっと生きがいを持って生きることが出来るということです。挑戦して成功することも幸せなことですが、挑戦を続けて生きていけることが幸せの原点です。自分の意思で挑戦を続けることで人間の自由と尊厳が維持されます。

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